2009年04月14日

Ichiroの心理

この間、たまたまテレビを観ていましたら、イチローが取材を受けていました。

イチローはWBC決勝の時に、その瞬間ごとに、自分がどう思ってやっていたのを話したのです。それは役者にとっても、また生き方としても大変参考にできることだと思いました。

まず、自分の打順が来た時に、「今、視聴率は凄いことになっているんだろうな・・・日本中が大騒ぎで、ここで打ったらヒーローだろうな・・・上手くやりたい!この瞬間は自分がいただくんだ」と考えたそうです。しかし、すぐに彼は「余計なことを考えた」と思ったのです。集中しなければいけないのに、余計なことを考えた、と。

( 役者の場合は、「このオーディションに受かったら、売れる。上手くやろう」または「かっこ良く見せたい」などなど)

その時イチローは、そういう風に考えたこと自体は仕方ない、考えてしまったんだからそれは否定しないと思ったそうです。役者も同じように考えていいと思います。それを否定しないで、認めて、それから本当の集中に入る。

その後、一瞬ごとに、彼の頭の中には実況中継のような声が聞こえたそうです。“ダグアウトからイチローが出てきました!”“振りました!”など・・・どこか楽しくなり始めていたとイチローは言っています。“ファール、またファール!”

(役者も、どんなにキツくても演技を楽しむこと)

イチローはやはり必死に打とうとしていたのでしょう、それで三度目の“ファール”の時に、ボールは打てたんだと確認したのです。たまたまファールになっただけだと―――。打てるんだとそこで迷わず信じた。その瞬間イチローは自信を持てたのです。
一瞬で歴史が変わったのです。

彼の中のポジティブシンキングがはっきりと見えます。事実、イチローはその瞬間から頭の中の実況中継が消えたと言っています。

(出来ると信じる。役者だけでなく、人間は出来ると信じることが目標に近づく最大の武器)

打った直後、塁上のイチローはそれまでの彼とはだいぶ違って見えました。そわそわして、帽子をいじったり、ユニフォームをはたいたり・・・。仲間がどんな感情で自分を見ているのを見るのが恥ずかしいような様子で、自分の感情も、その時点では抑えておかなければいけないと思っていたのかもしれません。



*オーディション・キャスティング・演技指導のUPS Academy


posted by Yoko Narahashi at 14:55| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月12日

OSCARS 2009〔2009年アカデミー賞〕

去年のオスカー・ナイトも、ロスの友人の家に皆で集ってテレビを何時間も楽しんで観ました。そのグループに、ある日本人の映画監督の方がたまたま参加して、一緒に楽しんで観ていたのです。オスカー授賞式が始まる前に、役者さんたちがレッドカーペットを歩いていく風景がテレビに映し出されました。その時、その監督が「来年、僕があのレッドカーペットを歩けたら」とおっしゃいました。

なんと、まさにその通りになりました! その方は滝田監督だったのです。

去年試写会で『おくりびと』を観せて頂いた時に、これはフィルムフェスティバルで必ず賞をもらえるはずだと滝田監督に言いましたが、その後この映画はモントリオール映画祭でグランプリを受賞しました。そしてまた偶然だったのですが、去年9月、アップスアカデミー10周年記念特別講演で招待しましたマーク・ライデル氏がこの映画祭の審査委員長だったのです。その時ちょうど『おくりびと』のpremiereがあり、来日していたマーク氏が劇場挨拶に駆けつけるという一幕もありました。



これまで 一年おきくらいに、受賞の際のスピーチを役者さんと練習する機会があったのですが、今回は初めて役者でなく、監督のスピーチのお手伝いをしました。3回目こそは獲ってほしいと思っていたところでしたが、本当に受賞なさった時は思わず飛び上がりました! 
そして滝田監督が無事にスピーチを終えた時、さらに飛び上がりました!
役者さんも滝田監督くらい、英語でスピーチできる度胸があるといいなと思います。翌日またお会いした時、オスカー像を持っていらしたのですが、監督は色々な方から祝福されていました。

この数年間で、オスカーの世界が目の前にぐっと近づいてきました。
今まで一緒にお仕事をしたスタッフの方の中でも何人かがオスカーを受賞されています。セットデザインのジョン・マイアー氏、衣装のナイラ・ディキンスン氏、撮影監督のディオン・ビービ氏などです。
ディオンのオスカー像を実際に手に持ちましたが、立派で、重かったです。
毎年この「ショー」はとにかく目一杯楽しめるので、全米で一番観たい、素敵なイベントとなっています。やはり最後まで結果を知らないでいて、本当にフェアな投票で選ばれるということは素晴らしいと思います。今年は特にオスカーショーの内容の組み立て方や、MCのHugh Jackmanなどが大変好評でした。
確かに昨年よりもスムーズで、テンポもよく、本当に楽しく観られるショーでした。
そして何よりも、当たり前かもしれませんが、受賞した人に心から祝福できるというのは気持ちのいいものです。日本では、何となく人の幸せをひがむ傾向があるように思えるのが残念ですが、今回ばかりは、みんなが誇りに思っているはずです!

滝田さん万歳! 
次は監督の国際映画のお手伝いをできる日が来るのを大変楽しみにしています。
今度は日本からどなたが獲ることになるのでしょう?
スピーチを作る時には是非声をかけて下さいね!


*オーディション・キャスティング・演技指導のUPS Academy

2009年02月24日

From NEW YORK(ニューヨークより)

ECOMOMIC DEPRESSION(経済不況)はあまり感じなかったNEW YORK!

NYに最初に行ったのは5歳の時でした。その次は19歳の時でしたが、今のNYとは大違いでした。麻薬はどこにでもあって、犯罪も多く、本当にNYは怖い、汚い都市でした。ドアには3種類の鍵をかけていたほどです。その後は何回も行っていますが、今回久しぶりに動き回って、NYを肌で感じ、びっくりしました。
NYと恋に落ちたようです。ごっつくて、生き生きとして、ダイナミックな、またクリエーティブな、本当に格好いい都市になったと強く感じました。

40年が経って、以前住んでいたアパートは奇麗に変身はしていましたが、年輪と思い出を感じさせるように、まだしっかりと建っていました。他の地域では、肉屋の工場や洋服屋などがあった所がおしゃれなお店になっていたり、素敵なロフトのアパートになったりしていました。Once upon a time in America のような味がありながら、レストラン、洋服屋などは改造され、古い建物が現代のアートを引き立てるような、楽しい環境になっていました。食べ物も東京が一番だと思っていましたが、今回食事をしたレストランの中には東京を抜いているところもありました! また雰囲気も最高でした!

Sam Mendes が shakespeare の WINTER'S TALE(シェークスピア作「冬物語」)を演出していましたが、それはここ数年に観た芝居の中で一番素晴らしいものでした。演技、照明、セット、その品の良さと繊細さ――
最初から引き込まれて、一寸も私達の興味を逸らさない、見事な演出でした。訓練をしっかり積んだ役者の演技――  一瞬一瞬、生きていて、感情も信じられて、優しさ、楽しさ、ユーモアがあり、最後には本当に泣いて感動できる、驚きの最後の瞬間までパワフルでした。求めるアートの基準を思い出させてくれました。

NYが全体的にどうして以前と違うように感じられ、NYを愛したのかなと考えたのですが、やはり9・11の後、皆の心がひとつになって、少し優しく、少し明るくなったからではないかと思います。以前は自分のことしか考えられないような環境でしたが、あの事件で死と直面して、どこか謙虚になり、生きること、互いに助け合わなければいけないことを経験し、生き方に大きな影響があったと感じます。

そうは言いつつも、地下鉄に乗ると、ああ、やっぱりNYに戻ってきたんだなと感じます。――― 一人の中年の女性が隣の男性に突然怒鳴りだして、“すみませんって一回しか言わないからね。なんだと思っているの・・・you f… bastard!”と大声で言い、言われた男性は情けなくも我慢していました。その反対側ではホームレスが色々な服を詰め込んだ黒い大きなゴミ袋を抱えながら、サンドイッチを食べていました。その一連の座席を占領してしまっている様子でした。そして、若い男性が良い声で “Ladies and Gentlemen,” と言いながら歩き回っていましたが、結局はお金の要求でした。
“Can you spare a penny, a dime…anything you have…I do appreciate it, ladies and gentlemen…” などなど――― 
それでもやはり、本当に安全になりました。

機会がありましたら、変身した、生き生きとしたNYに是非行ってみてください! 
もちろんNYまで行かなくても、東京での毎日の生活をどうしたらもっと勢いよく生きていけるのかを必死に考え、いまあるものを大事に、またゼロからクリエーティブに何かを生み出せるように、考えていきたいですね。


*オーディション・キャスティング・演技指導のUPS Academy

2008年12月14日

夢をかなえるゾウ

We舞台『夢をかなえるゾウ』がもう間もなく幕をあけます!
http://transform.jp.msn.com/webtai/stage/tokyo/01.htm
今回の舞台は大変大きなステージなので、目一杯この空間を使って、多くの方にこの作品のテーマがしっかりと届くようにつくらなければ、と思いました。

普通に舞台化するだけではやはり小さいスケールのままで終わると思いまして、ストーリーはきちんとありながらも、ストーリーのポイントを拡大するためにパフォーマンスやショーを展開していくかたちにしました。ミュージカルでもなく、パフォーマンスでもなく、新しい芝居の形になりました。

それに、演出の際はいつもこだわる音楽と映像を組み合わせて、ドラマショーの『夢をかなえるゾウ』になりました。
そしてこのショーのエネルギーは、これから将来を築いていく今の子供たち、今後この地球で生きていく子供たちへの思いから湧き出ています。
それは今回の舞台の参加者全員の思いだと思います。

今のこの暗い時代に、希望となりそして自分に誠実に行動できるちからとなることを願います。2008年のクリスマスに、素敵な出演者とスタッフからの心からの贈り物です! 是非是非多くの方に観て頂けたらと願っています!

そして恩師である演出家のディックさんへ。天国で見守って下さってありがとうございます! 
 
Yoko


*オーディション・キャスティング・演技指導のUPS Academy

2008年09月28日

マーク・ライデル氏による講演

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私はロスアンジェルスを訪れるたびにアクターズ・スタジオに行って俳優のセッションと、脚本家、演出家のセッションの両方を見学するようにしています。
演じられているシーンをみて「俳優がいかに自分の技術を改善できるか」をじっくり考えることの出来る計り知れないほど貴重な時間を過ごすことのできる場所です。
マーク・ライデルはマーティン・ランドーと交代してセッションの司会をしています。経験いかんにかかわらず、有名であろうとなかろうと、コマーシャリズムから無縁な、創造的で安全な環境の中で、自分の技術を鍛えることのできる素晴らしいシステムを、長い間、継続的に保っているアクターズ・スタジオに対して尊敬の念を私はいだいてきました。いままで長い間度々このような素晴らしい場所が日本にもあったらばなと思っていました。

ここ15年にわたり毎年招聘してきたヘディー・ソンタッグから2〜3年前に、マークを日本に呼ぶことを勧められました。
彼が映画を監督していたため、ここ数年はスケジュールが合わなかったのですが、とうとう今年、UPSアカデミーの10周年記念の事業の一つとしてマーク・ライデル氏を日本にお呼びできる光栄に浴しました。

UPSの卒業生、講師と同時に2年生によるシーンのセッションのいくつかを、マークに見てもらうことができました。彼は、生徒一人一人に自分の舞台上の立場が何であるかを見つけ出させることに時間をさき、自分自身の中にある真理を追究することに手助けしてくれました。 

一見簡単に聞こえますが、本当に演じると言う事は想像上の状況では容易ではありません。しかしながらマークと話していくと、俳優達は、自分自身の内面に触れることができ、演じる役がどのように感じているかを本当に自分のものにすることができ、マークが意味する事を理解していくことがよくわかりました。たいていの場合、俳優達は役についてわかっているように思っていますが、概念と個人的な自分自身の内面とを充分に結合できないのです。

セッションはすべての生徒達、シーンを実際に演じた者だけではなく、シーンを見て彼の寸評を聞いた者にとっても、感動と刺激の源でした。彼が見てくれたシーンのいくつかから青山学院での講演でみせるシーンを選びました。

マークは好印象を持った数シーンの中から二つを選びました。彼はそのシーンを演じた俳優達の演技に力強さと真実を感じたのです。そのひとつは日本のオリジナルの芝居で、事実日本語で演じていたにもかかわらず、彼は十分に理解できたものでした。もちろんマークには翻訳を渡したのですが、シーンのエッセンスや二人の人物の間にある矛盾も理解できたようです。

もうひとつのシーンはテネシー・ウイリアムスの「地獄のオルフィス」で、UPSアカデミーの講師の一人と卒業生の一人が演じました。彼らは二人とも演じるために克服したいと思っていた自分自身の中にある障害物をかかえていました。彼らの間にある性的緊張状態は深刻で、孤独と絶望的な欲求に触れる勇気を持たねばならなかったのです。それが、レクチャーを見ていた800人を超える人たちの前で演じたとき、彼らは飛び越えたのです。それは俳優が一度やる気を出し、演技をとことん追求しよう言う強い心を持てば、成し遂げることができた一つの素晴らしい例でした。

マークの東京滞在最後の日に1000人近くの聴衆を集め、講演が開かれました。
講演の第一部はマークの出演した映画や監督製作にあたった映画のシーンについての話しが含まれていました。またアクターズ・スタジオについても話してくださいました。
第二部は実際に演じたシーンをみて彼がコメントしてくださいました。彼がコメントできる時間が、充分でなかったのが残念でしたが、活発な質疑応答の時間が持てました。

マークは、演技、又演技することへの姿勢について、情熱的に語り、俳優達を鼓舞してくれました。
最後に、彼は言いました。「どうしても必要でなければ、演ずるな」。
と言うのは、俳優というものは何回も拒絶に直面するつらいものなのだからと。それと同時に、夢にむかって一生懸命な者に対して激励してくださり、私も確かに改めて元気づけられました。

マークの演技に対する考えを我々に伝えてくださるにあたり、見せてくださった誠実さ、正直さ、率直さ、そして情熱には感謝しても感謝しきれません。

彼の計り知れなく貴重な教え、激励がもとになり、アクターズ・スタジオの精神を設立するという夢がここ日本でも住処(すみか)を見つける事が出来るよう願ってやみません。

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Lecture by Mark Rydell, Director, Producer, Actor

Every time I visit LA, I would go to the Actors’ Studio and see the actors’ sessions as well as the writers’ and directors’ session. It is an invaluable time for me as I can watch scenes and contemplate on how the actor can improve his /her craft. Mark Rydell would take turns to moderate the sessions along with Martin Landau. I have always had the greatest respect for the Actors’ Studio as they have continued for so long, with a wonderful system where actors – no matter how experienced or famous, can work on their craft in an environment which is creative, safe and free from any commercialism. I have so often and for a long time wished that we could have such a place in Japan.
A few years ago, Hedy Sontag whom we have invited every year for over 15 years had suggested that I ask Mark to Japan. Our schedules didn’t coincide for a couple of years as he had a film to direct, but finally this year, on our 10th anniversary of the UPS ACADEMY, we had the great pleasure of being able to invite Mark Rydell to Japan.
He was able to see several sessions of scenes done by the second year students as well as several graduates and instructors of the academy. He would talk to each student in length to find out what their situation was and would help them work more towards the truth in themselves. As simple as it sounds – to REALLY do under imaginary circumstances, is not easy. However we could see actors who, when talking to Mark, were able to reach inside themselves to REALLY feel what the role was feeling and realize that was what he meant. Most often actors THINK they know what the role is about but do not connect fully with the idea and their personal, inner self.
The sessions were a source of inspiration to all the students, not only those who did the scene but for all those who observed the scenes and his commentary. From the scenes he saw, we talked of which we could show at the final lecture.
He was impressed by several scenes but chose two out of several. he felt the actors were powerful and truthful in their acting. One scene was from an original Japanese play which he understood very well despite the fact that it was in Japanese. We of course gave Mark the translation but still he could get to the essence of the scene and the conflict between the two characters. The other scene from Orpheus Descending by Tennessee Williams was acted out by an instructor of Ups Academy and a graduate . They both had an inner obstacle they wanted to overcome in order to act. The sexual tension between them would be intense and they would need to have the courage to get in touch with the loneliness and their desperate need. They made the leap when they performed in front of over 800 people watching the lecture. It was a beautiful example of what an actor can accomplish once he has the dedication and committement to pursue his art.
We held his lecture on the last day of his stay for an audience of near 1000 people. Part one of the lecture involved scenes from Mark’s films as well as one in which he appeared. He also talked about the Actors’ Studio. Part two involved showing the scenes and his commentary. We wish we had more time for him to comment but had a very interactive question and answer period.
He inspired the actors in the fact that he himself was so passionate in talking about acting and what it takes to act. Ultimately he mentioned that if you don’t need it, don’t act – it is just too hard as actors need to face rejection many times. At the same time, all those who are working towards their dream were encouraged and I’m sure reenergized.
I cannot thank Mark enough for his earnestness, his honesty, his integrity and passion in relaying his thoughts on acting.
With Mark’s invaluable contribution and encouragement, I do hope that the dream of establishing the spirit of the Actors’ Studio can find a home here in Japan as well.

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*オーディション・キャスティング・演技指導のUPS Academy

2008年02月28日

LAにて # 3

アカデミー賞授賞式を観て

2月24日、第80回アカデミー賞授賞式をテレビで観ました。昨夜、スピリット・アワードの授賞式で見かけた俳優も何人か出席していましたが、こちらはもう徹底的にドレスアップして登場、さすがは一年で最も大きな映画のイベントです。6,000人の会員の投票によりノミネート作品の中から選ばれるのですが、この授賞式が開かれる夜まで、結果は誰にもわかりません。

ここLAでは、私のアメリカ人の友人のほとんどがそうですが、家のテレビで授賞式を観ながら、ミニ・オスカー・パーティを開きます。ショーを観ながらお互いに色々なことを言い合うという、おかしな風習なのです。衣装のこと、俳優・女優のこと、彼らの関係について、ステージに登場する人々と自分との関係、果ては批判(ただし、無責任でおかしな内容の)まで飛び出します。
面白いのは、実際にはみんな自分がそのステージに上がってオスカーを手にしたいと密かに思っているけれども、その遠い夢に一番近づけるのが、テレビの前で観るということなのです。
それにしても、テレビ中継は午後4時頃より、スターたちがレッドカーペットを歩き、インタビューを受ける様子から始まるのですが、その後授賞式が終了する夜の9時頃まで続くのです。とにかく楽しめるショーです。
それも、毎年違うのです。

今年は、『ONCE ダブリンの街角で』のように、非常に低予算で、2台のハンディカムで撮影した映画が歌曲賞を受賞するといった、最近のインデペンデント映画ブームを反映した動きがあったように思います。脚本賞には、ディアブロ・コディ の処女作で、自然体で元気の出る作品『JUNO/ジュノ』が選ばれました。まさに「アメリカン・ドリーム」を後押しするようなかたちです。
――つまり、誰にでもチャンスはある、ということです。

この結果が、自分もやってみようと本気で思っている人たちの励みになればと思います。


*オーディション・キャスティング・演技指導のUPS Academy

LAにて # 2

フィルム・インデペンデント主催のワークショップで、ふたりの女性ライターに会いました。
「ブロークバック・マウンテン」の脚本を手がけたダイアナ・オサナ氏と、
「テルマ&ルイーズ」のカーリー・クーリ氏。
クーリ氏はこの作品がスクリーンデビュー作です。
ふたりともアカデミー賞とゴールデングローブ賞を受賞しています。

アメリカでは、 映画の脚本についてのいわゆる「ハウツー本」がたくさん
出ていますが、 ふたりはそんな本を読むより、大事なことは、ストーリーには
必ず始まりと、中間と、終わりがあり、また各々のシーンにも同じように始まりと、中間と、終わりがなければならない、ということを覚えておけばいい、と言っていました。

何より素晴らしかったのは、このふたりが、私がこれまで信じてきたことを確信させてくれたことです―――「いいストーリーがそこになければならない」、ということを。ダイアナ氏は映画化までに8年を費やしましたが、それは周りが皆「ただのゲイのカウボーイの話」としか見ていなかったからです。しかし彼女は自分の本を信じ、決して諦めませんでした。ここで大切なのは、本当にいいストーリーがあり、最後までやり通せば、成功するチャンスはいくらでもある、ということです。
二流のつまらない映画を何本も作るのなら、自分のトレードマークになるような作品1本に全神経を傾けて制作したほうがずっといいということです。

ダイアナ氏は、同映画に出演した俳優ヒース・レジャーの素敵なエピソードを語ってくれました。
彼女が撮影現場を訪れた時、彼はいいアイデアを思いついたと言ってとても興奮していたそうです。そして、自分のやるシーンを見ていてほしいと彼女に言ったそうです。そのシーンに彼は全てを捧げていました。彼はそういう役者であり、大いに映画に貢献したのです。

このふたりのライターの作品を、これから先もっと目にすることになると私は思っています。


*オーディション・キャスティング・演技指導のUPS Academy

2008年02月27日

LAにて

今回のロス滞在中に、とても強く感じたことがあります。
それは、個性的でオリジナルのインデペンデント系映画が、芸術的にも金銭的にもかなりブームになってきたということです。なぜなら、非常に低予算で作られた映画の中には、興行的に大成功を収めるものも数あるからです。
私はそのようなトレンドを意識した、とても人気の高いイベントにも参加しました。実際、インデペンデント映画はいま、商業的なものになりつつあるのです。

「フィルム・インデペンデント・スピリット・アワード」
今から22年前に始まったもので、オープン・エンロールメント方式、つまり、
メンバーシップ料を払えば誰でも参加できるというもの。
非営利目的で、多様性と革新性、独自性をもったヴィジョンのあるインデペンデントの映画とアーティストを支援する組織。
こういった授賞式のほか、ワークショップも数多く開催しています。

私が今回出席したのは、2月23日にサンタ・モニカの海岸の目の前にある素敵な
ホテルで開催された「フィルム・インデペンデント・スピリット・アワード」の授賞式でした。
これは毎年、アカデミー賞授賞式直前に開催されているものです。
ゴールデングローブ賞やアカデミー賞と違うのは、とてもカジュアルだということ。「レッドカーペット」もありますが、こちらの方は実は「ブルーカーペット」なんです! 
この賞のテーマは「グリーン」、近年非常に関心の高まっているエコ運動に連動したものでしたが、ゴールデングローブ賞の授賞式同様、人々はテーブルにつきディナーの後でショーを観る、という形式をとっています。

集ったスターは、ブラッド・ピット、アンジェリーナ・ジョリー、
フィリップ・シーモア・ホフマン他そうそうたる顔ぶれでしたが、ほとんどが
カジュアルな服装で出席していました。ここでの受賞者がそのままオスカーを
手にする場合も少なくありません。
その一方、アカデミー賞では取り上げられなかったけれども、非常によくできた映画で、この「スピリット・アワード」で認められ世に出る作品もあるわけです。


*オーディション・キャスティング・演技指導のUPS Academy

2006年11月23日

The Ever Changing Schedule

When you first start a film, you have a preproduction period where you prepare for the production – hire the crew, make the production designs, start the construction, in some cases, the storyboard which means rough pictures of what the director intends to shoot, location hunting, etc. Once you get the basic outline of the film, then you work on the shooting schedule. How many days a week? How many hours a day? It is like a puzzle which you have to line up, considering many aspects of filming –the availability of location sites, studio, the weather, the actors’ schedule, the directors’ artistic choices, etc.

In Japan, especially with smaller films, in order to save money, the schedule is pretty frenetic and everyone works long hours to finish the film in a very short time. However the usual length of a film varies from a month to 2 months. Ramen Girl took a full month and a half, with a 6 day shooting schedule. With major films like The Last Samurai, Memoirs of a Geisha, Blood Diamond (which will be released Dec. 15, 2006 in the U.S.) it took about half a year with a 5 day shooting week. Babel, as it was filmed in several places around the world took longer.

However this shooting schedule is the one that will constantly change in a way as there are so many variable elements . Here let me add that in the U.S. it is common for the actor’s schedule to be almost exclusive to the film with a clause saying that they would continue till the end of the shoot (not necessary giving an ending date). In Japan, most actors who are constantly working usually are busy and are booked well in advance. This is something that the American producers do not realize and unless they make such a contract or take them away from Japan completely, it would be difficult for them to work exclusively for the film.

Also though there are cover scenes which means that these are ones that can be done if it happens to rain. Also if the filming does not progress well enough, then the schedule again changes. Sometimes the location doesn’t work out – sometimes outside location is cancelled when there are people who want to prevent the shoot intervene to stop the shoot – you probably know who I mean .

In other words, every day presents a new set of problems and it seems that there is never a day which doesn’t present itself with new problems and conditions―all which need to be solved in order to continue so that filmmaking can be very intense, every film with different problems to solve.

So for those who like working from 9 to 5 and routine, filmmaking is not suitable! I love filmmakers in the fact that they are so flexible – and can take surprises in stride – but then life is like that isn’t it!


*オーディション・キャスティング・演技指導のUPS Academy
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